ここに往年の客車急行が甦る。
久しぶりの夫でございます。
今年最後になるであろう今年最大の旅、貸切客車列車の旅に参加させて頂きました。総集編でぇございます。
行先は、
下今市(栃木県今市市)→会津田島(福島県南会津郡南会津町) 東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道にまたがる往復乗車。
わかりやすく言うと日光のさらに奥です。
当然関西からは前日から出発しないと間に合いません。
例によって本番まで前置きが長いです。笑
ごゆるりとお付き合いください。
11/25
のぞみ88号 926発
「シンカンセンスゴイデカイニモツ」
ゆえに荷物置き場のある席。昨年は隣の人のエリアまで荷物がはみ出したので幅の広いグリーンに。
ちょうど車内販売が廃止された…と思ったら西日本エリアは健在でした。アイスを食べておきます。
東京駅で新潟から上京されたYさんと合流。
まずは浅草に近いホテルに荷物を預けてから、遅い昼に我孫子駅名物「唐揚げそば」をいただきます。
Yさん曰く、鳥インフルエンザ禍が終わり、以前より唐揚げが肥大化したそう?
人生初の唐揚げそば。2個載せはお惣菜パック並み。
但し地元の人は全員が唐揚げそばを食べる訳ではないようです。
新宿に移動、ニコンプラザ東京へ。空撮鉄道カメラマン 吉永陽一さんの個展「空鉄」を拝見。実は面識があり、お会いするのは3年ぶり。書籍以外で大きな作品を拝見するのは初。その迫力に圧倒されました。
おこがましくて言葉にならないですが、偶然を計算し、チャンスに替えて表現する吉永ワールド。アーティストの気鋭を感じました。
ワタシを覚えていてくださり嬉しい限り。
28F ニコンプラザ東京より新宿を望む。
今回、
時間の都合で写真展鑑賞は吉永さんのみとなりました。日が暮れて前夜祭の会場へ。浅草橋駅前集合。
今夜は屋形船です。人生初の屋形船。しかも貸切。20数名が集合。一定以上の人数で貸切できるそうです。それにしても貸切が大好きな団体(笑)
19時頃出港。隅田川をスカイツリー付近で折り返し、東京湾お台場まで往復する約2時間。
月夜のスカイツリー
船内は掘り炬燵席に冷暖房、厨房、トイレまで完備。
まさしく和風ミニクルーズ船です。
しかも船内揚げたて天ぷらが提供されました。ドリンクは飲み放題。
まずはお造り。
揚げたて天ぷら配給
寒いけど美しい夜景。お台場のフジテレビ
レインボーブリッジ
船頭さんの隅田川に架かる橋や地名の由来や解説は大変面白く勉強になりました。
コロナ禍は利用がなく大変だったようです。盛り返してほしいですね。
大満足の前夜祭。
早速すばらしい思い出が出来ました。「みなさん明日が本番ですよ!」幹事さんの掛け声で我に帰る始末。
冷え込んだ夜道を徒歩でホテルに帰りました。
11/26
東武鉄道 浅草駅700発 特急スペーシアけごん3号に乗るため早起き。まだ浅草駅売店は開いていません。
続々と見覚えのあるメンバーが集まってきました。
スペーシアけごん3号
発車後すぐにスカイツリー麓を通過。
モーニングハイボールです。
栃木県に入り、終わりかけの紅葉はまだ色付いています。遠くの山には冠雪が。
下今市到着。やはり内陸は寒いです。
浅草から来た方、宇都宮経由で来た方、前夜に鬼怒川温泉に宿泊した方、参加者が大集合。さながら同窓会です。
けごん3号のユニークな車掌さんに手を振ってお別れ。
すでに構内には我々が乗車する客車列車が待機中。
DE10形ディーゼル機関車牽引で入線します。普段はSL大樹として蒸気機関車牽引で鬼怒川温泉まで運行されていますが、この貸切列車はディーゼル牽引で、通常入線しない会津田島まで足を伸ばします。
機関車は「北斗星」カラー。東武鉄道の熱意により2016年までJR北海道で活躍したカラーを再現。
客車は国鉄時代のブルーの14系、12系座席車。
今回の列車は、和歌山市雑賀崎にあるカフェ「スハネフ14-1」さんの開店14周年を記念した貸切列車。特別なヘッドマークも掲出されています。
オリジナルヘッドマーク、この列車が夕陽の雑賀崎に飛び立つ銀河鉄道みたいでかっこいいです。
14周年に14系列客車。寝台車スハネフは現役引退につき座席車スハフ14-1という具合です。
発車までの時間は短く、933慌ただしく発車。
大きな荷物を置く場所を確認。14系ならでは3号車ドア付近の大型携行品置き場をお借りしました。気がつけば静かに景色が流れはじめていました。
客車夜行列車でおなじみ車内放送チャイム ハイケンスのセレナーデが流れます。
さらにトワイライトエクスプレスの「いい日旅立ち」チャイムも!
私とYさんは2号車。12系客車ボックス席。
2008年まで活躍した元JR四国ムーンライト高知号の指定席車。東武鉄道に渡る時は色褪せて老朽化が激しかったですが、見事にリニューアル。新たにボックス席とテーブルを設置。車両の端を展望室に改装。ゆえに「オハテ12」になっています。
我々は2人1ボックスプラン。敢えてこの車両を選びました。後に予想通りの展開になります。笑
列車は時速40キロ程度で走ります。
窓が開く我々の車両にはエンジンの排ガスが薫ります。規制の緩い昔懐かしい排ガス臭。
吸引したくなる匂い鉄。
途中駅で小休止。
鬼怒川温泉を過ぎ、新藤原からは野岩鉄道。1986年、首都圏から日光、会津を結ぶ新ルートとして開通。トンネルが連続します。
山間部ゆえ当初から決して営業成績はよろしくなく、コロナ禍で観光客減少のさらなる打撃を受けています。野岩鉄道の職員さんがグッズ車内販売に訪問。
野岩鉄道の焼印付の「枡」
「枡で呑むといいよなー」
誰かが買ってきたのをきっかけに、あっという間に枡が売り切れました。お酒も販売すれば売れたのに?
やがて長いトンネルを出ると地面は白く、昨夜雪が降ったようです。分水嶺を越え福島県へ。会津高原尾瀬口到着。ここから会津鉄道線になります。国鉄時代は会津線「会津滝ノ原駅」として、野岩鉄道開通までは福島県側の終着駅でした。
2号車はグループ参加者が多く各席で宴会に。テーブル付座席という理由もあります。
前後の1、3号車14系客車は2人用簡易リクライニングで窓際のミニテーブル。2号車と真逆の静かな車内。
自席には入れ替わりで久しぶりに会う人がやってきます。2号車9番10番、車両の中央部です。
「あー!もう酒なくなってるよ!」
「会津田島着いたら買いに行こうぜ」
「持ち寄りで純米吟醸以上な」
「会津の酒は美味いから」
各自持参した瓶が空になりました。笑
1201会津田島到着。
復路1555発まで大休止です。
歓迎の幕
会津田島で行きたかった店は「鰻」
「梅よし」昔から地元に存在する小さな鰻屋さん。
駅から徒歩7分。いい匂いがしますが準備中の札が…
法要で利用されているらしく1時間ほど待ちます。
無事、鰻にご対面。(Yさんありがとうございました)
ちなみにビールは売り切れで地酒「国権(こっけん)」を鰻を待ちながらいただきました。
メニューは鰻重とソースカツ丼、飲み物のみ。
帰り道、R121旧道沿いに「国権」の酒蔵があります。
復路用に購入。車内で呑むと分かったのか、カップを付けてくれました。
会津田島の街は南会津郡の中心らしく、町単位で生活が完結しているようです。いちばん近い都会、会津若松市まで約50kmもあるので。
古風な旅館、地域に根差したパン屋も。
まだ時間があります。
実は気づかず、すぐに鰻に行きましたが、到着後は会津鉄道の協力で撮影会が開催されました。この色の機関車ならではのヘッドマーク各種取り付け。
画像は友人より拝借。
いい感じです。
ちなみに撮影会に参加していたら鰻は品切れでした。
実は30年ぶり訪問の会津田島。駅しか記憶になかったのですが色々新しい発見がありました。
復路1555発
ピョッという汽笛と共に発車。お見送り会津鉄道の職員さんに手を振ります。
蕎麦を食べに行った他の呑み鉄組は上機嫌。
更にみんな集結して賑やかな2号車に。
毎回自分が乗車する車両は何故かこうなります。笑
日が落ちると夜行列車の雰囲気に。
皆さん思い思いにくつろぎます。
オハ12改造「オハテ12」
色合いは前後14系よりも濃い青に緑帯。
客車急行グリーン車をイメージしているようで。昭和40〜50年代のスロ62やオロ11みたいな雰囲気です。
停車中は静寂に包まれ、客車列車であることを実感します。
活躍の場が野岩鉄道だけとなった東武6050系列の電車と行き違います。
今回も抽選会に景品、ジオラマを提供させていただきました。これがデカイニモツの正体。
野岩鉄道を走る貸切列車をイメージ。
コントローラー内蔵で走ります。
東武鉄道日光線をイメージ。
持ち帰りする側は大迷惑ですが、ジオラマは作るもの、配るもの!
最後は下今市到着前にイルミネーションが迎えてくれました。1838到着。
この東武鉄道保有の客車、個人申し込みの団体貸切は初だそうです。東武鉄道関係者の方も視察?に同乗されていたとか。
慌ただしく特急スペーシアけごん50号に乗換、帰路につきます。春日部で乗り換え大宮へ向かうYさんと別れ、北千住下車。東京駅へ向かう皆さんにくっついてJR線に。
東京到着後、新幹線組は2124発最終のぞみ。
私と四国勢は2145発 寝台特急サンライズ瀬戸号。
今回、主催者とタッグを組んだ影の仕掛け人、Kさんが夫婦でサンライズを見送ってくれました。イノシシのぬいぐるみが手を振ります。
1年ぶりのサンライズ。
B寝台ソロ。たいへん狭いですが以下の理由で好きです。
同じ車内にロビー、シャワーがあり下車駅ドアは階段前。ソロは1列車に1両ゆえ予約時に分かりやすく、寝るだけなら充分。今はなき寝台特急「あけぼの」ソロよりまだ広いです。もうデカイニモツはありませんし。
何より狭いおかげでMRIみたいによく眠れます。笑
熱海の手前で寝落ちたようです。
11/27
気がつけば夜明け前の関西。6分遅れで到着。
6:15頃には帰宅し、いつものように寝ぼけ眼の我が子を起こしたのでした。
当日は休むわけにいかず昼前に出勤でした。
いつも同窓会のような気分になる貸切列車。
今年、東海道新幹線のCMや車内放送チャイムになった曲が頭に浮かびます。
お世話になった皆さまありがとうございました。
これからもカフェ&バー「スハネフ14-1」さんをよろしくお願いいたします。
貸切客車列車の旅〜東武・野岩・会津鉄道〜(完)